無題
患者さんの体験記


【匿名】

 その夜は眠れなくて三時頃より、うとうとしていると不気味な地鳴りがしだと思ったら、突然ドーンと上にあがり横揺れとともにとなりの食器棚からすざましい音を立ててすべての食器が割れる音と物が倒れる音に立つことも出来ず、なすすべもなく、頭を抱えて伏せていました。
 夜が明けてテレビで次々に考えられない様な惨状が放映され大自然のエネルギーの底知れぬ 恐ろしさを見せつけられ、いかに人間が何も出来ないかと痛いほど知らされました。
 翌十八日が私の透析日でしたので、病院に電話をしましたら「大丈夫三時間透析が出来ます」との事、この時のホッとしたうれしさは、忘れることが出来ません。電車もバスも車も通 行出来ないとのことで、家から五十分かかって歩いて病院まで行さました。
 途中倒壊家屋や、阪急電車のコンクリートの高架が落ち、まわり道をしながら生々しい惨状に胸がドキドキでした。  幸いに病院は立派に建っていましたが、水がなく院長先生をはじめスタッフの皆様が、非常事態で対応して頂き、本当に有りがたく感謝の気持ちで一杯でしに。  常日頃、すへてあるのが当然の様な生活を通しておりましたが、一度事がおこればこれほどまでに大変なことになると、身を以って体験しました。  千年に一度とかの大地震が、よりによって阪神地方に起きるなんて本当に恐しいことでした。「治に居て乱を忘れず」で今後も全てのものに感謝し、心して自然を大切にしていかなければと思います。

 

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阪神大震災報告 (c)1995医療法人平生会 宮本クリニック