「震災をふり返って」



【匿名】

 阪神大震災から早三ケ月以上があっという間に過ぎ去った。あちこちでの復旧作業が進む中、まだまだ災害がもたらした被害は大きい。
 私は、伊丹に住んでいるがマンションに被害を受けた。鉄筋コンクリート壁は大さく割れ、窓ワクは曲がり一時しのぎに今ではガムテープ等が貼られている。
 震災当時頭は混乱状態であった。食器類や電気製品はこわれ、家具類も倒れ衣類や本、雑誌類はあちらこちらにちらばり、収集のつかない状態にあった。時々余震の中にあって、生活をどう取りもどしたらいいのか、地震がもう一度襲ってきたらどうしようという気持ちが先に立って、部屋を片付けようにも片付けられなかった。仕事場に電話を入れたが通 じず、親、知人とも連絡がとれず自分だけが弧立したかの様な状態になった。小さい二人の子達が震える姿と心配そうな表情は今でも目の奥にやきついている。
 さいわいなことに親しくしている友人が近くにいたので落ちこむことなく生活することができたことが救いである。
 今まで災害に対して何一つとして、準備もせず考えていなかったことが、今回の大地震を通 じてずいぶん考えさせられた。もう二度と味わいたくない自然災害である。

 

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阪神大震災報告 (c)1995医療法人平生会 宮本クリニック